

海外旅行の入国審査やホテルのチェックイン、あるいは病院の問診票やオンラインでの会員登録など、生活の中で「書類に記入する」場面はたくさんありますよね。そんなとき、「ここに記入してください」と言いたい、あるいは言われた際、fill in と fill out のどちらの表現だったか迷った経験はありませんか?
どちらも日本語に訳すと「記入する」になってしまいますが、ネイティブスピーカーは「何を、どの程度書くのか」によってこれらを明確に使い分けています。
今回はスピーキング特化型のオンライン英会話レッスンを提供するSSSが、意外とあやふやになりがちな fill in と fill out の違いと、今日からすぐに使える簡単な使い分けを豊富な例文とともに徹底解説します!
この記事を読めば、もう入国審査やビジネスの場面で迷うことはなくなりますよ。
fill in と fill out の決定的な違いとは?

まずは結論からお伝えします。この2つのフレーズの違いを理解する最大のポイントは、「記入する情報の量(範囲)」と「前置詞(in / out)が持つ本来のイメージ」です。
- fill in:「名前」や「日付」など、特定の項目や空欄(穴)を埋めるとき
- fill out:書類の最初から最後まで、すべての項目を埋めて完成させるとき
同じ「記入する」でも、ピンポイントで1箇所を書くのか、書類全体を仕上げるのか、という視点の違いがあります。それぞれの言葉の成り立ちから、さらに詳しく見ていきましょう。
穴を埋めるイメージの fill in の意味と使い方
fill in は、書類の中の「特定の空欄」や「一部の項目」に情報を書き入れるときに使われます。
「in(中へ)」という前置詞が使われている通り、「ぽっかり空いているスペース(穴)の中に、文字を入れて埋める」というニュアンスを持っています。
よく使われるシチュエーション
- 氏名、住所、電話番号などを特定の枠内に書くとき
- テストの「空所補充問題」を解くとき
- パスワードなどを入力フォームに打ち込むとき
例文
空欄を指差しながら「ここにお願いします」と言うような場面をイメージしてください。
- Please fill in your name and email address here.
(ここに名前とメールアドレスを記入してください。) - Oh, you forgot to fill in the date at the bottom.
(あ、一番下に日付を記入するのを忘れていますよ。) - Listen to the audio and fill in the blanks.
(音声を聞いて、空欄を埋めなさい。)
※アメリカ英語ではこの後紹介する「fill out」と明確に使い分けますが、イギリス英語圏(イギリス、オーストラリアなど)では、書類全体を記入する場合でも「fill in」を使うことがよくあります。イギリス方面へ行かれる方は頭の片隅に入れておくと便利です。
書類を完成させる fill out の意味と使い方
一方で fill out は、書類の「最初から最後まで」全ての必要項目を埋めて、その書類を有効な状態にして完成させるときに使われます。
「out(外へ・すっかり)」という前置詞には、「sold out(売り切れ)」や「burn out(燃え尽きる)」のように「最後までやりきる、完全に〜する」というニュアンスがあります。つまり、白紙だった書類が文字で端まで満たされるイメージです。
よく使われるシチュエーション
- ホテルの宿泊登録カード(レジストレーションカード)を一式書くとき
- 入国審査の税関申告書を完成させるとき
- アンケート用紙や申し込みフォームの全項目に回答するとき
例文
「この用紙全体にお願いします」と書類を渡される場面をイメージしてください。
- Could you fill out this application form, please?
(こちらの申込書にご記入いただけますか?) - It took me almost 30 minutes to fill out the medical questionnaire.
(その医療問診票をすべて記入するのに約30分かかりました。) - Make sure you fill out all the required fields before submitting.
(提出する前に、必須項目をすべて入力したか確認してください。)
実際の会話でどう使う?
頭で違いを理解した後は、実際の会話の中でどのように使われるのかを見てみましょう。
ホテルのフロントでのやり取りを想像してみてください。
フロント: Welcome to our hotel. Could you fill out this registration form?
(当ホテルへようこそ。こちらの宿泊登録カードにご記入いただけますか?)※書類全体を渡している
宿泊客: Sure. Do I need to write my passport number?
(もちろんです。パスポート番号も書く必要がありますか?)
フロント: Yes, please fill in your passport number right here.
(はい、パスポート番号はこちらの欄にご記入ください。)※特定の項目を指差している
このように、一つの会話の中でも「書類全体(fill out)」と「特定の項目(fill in)」が自然に使い分けられています。
間違いやすい fill up との違い
「fill」がつく表現で、日本人学習者がよく混同してしまうのが fill up です。これも「満たす」という意味ですが、「(容器などの立体的な空間を)満タンにする」という意味なので、書類に対しては使いません。
書類を「満タン(真っ黒)」にしてしまうと読めなくなってしまいますよね。主に液体やエネルギーに対して使われます。
- Fill it up, please.
((ガソリンスタンドなどで)満タンにお願いします。) - I filled up my water bottle before going to the gym.
(ジムに行く前に、水筒を水でいっぱいにした。) - The parking lot was already filled up.
(駐車場はすでに満車だった。)
書類には必ず「in」か「out」を使うことを覚えておきましょう。
まとめ:「fill in」と「fill out」の違いは?簡単な使い分けを紹介!
いかがでしたか?今回は、似ているようで明確な違いがある「fill in」と「fill out」について解説しました。最後に、今回の重要なポイントをおさらいしましょう。
fill in
- 意味・使い分け:特定の項目や空所を埋める
- 前置詞のイメージ:in(中へ)
- 対象となるもの:名前欄、日付欄、テストの空欄 など
fill out
- 意味・使い分け:書類全体を記入して完成させる
- 前置詞のイメージ:out(最後まで)
- 対象となるもの:申込書、問診票、アンケート など
「名前だけなら fill in、書類一式なら fill out」。このルールを覚えておくだけで、日常会話からビジネスシーン、海外旅行まで、もう迷うことなくスムーズに対応できるようになります。
英語の知識は、頭で理解した後に「実際に自分の口で発音して使ってみる」ことで、初めてとっさの場面で使えるスキルに変わります。
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