
英語を学んでいると、「used to」と「be used to」という似た表現によく出会います。どちらも「used」という単語を含んでいるため、同じ意味のように見えますが、実は文法も意味も大きく異なります。
そしてさらにややこしいのが、この2つを組み合わせた「used to be used to」という表現です。この「used to be used to」は、英語学習者の多くが「どういう意味?」「使い方が分からない」と感じる難所の一つ。
しかし構造を理解すれば、驚くほどシンプルです。今回はスピーキング特化型のオンライン留学サービスを提供する「Speaking Success System(SSS)」より、「used to」と「be used to」の違いを丁寧に解説し、最終的に「used to be used to」の意味と自然な使い方まで徹底的に説明します。
「used to」と「be used to」の基本的な違いを理解しよう
まずはそれぞれの意味をしっかり区別して理解することから始めましょう。「used to」は、過去の習慣や状態を表す表現です。つまり、「以前は〜していた」や「昔は〜だった」という意味を持ちます。使い方はシンプルで、主語のあとに「used to」を置き、動詞の原形を続けます。
<例文>
I used to play tennis every weekend.(以前は毎週末テニスをしていた。)
There used to be a park here.(昔、ここには公園があった。)
この表現のポイントは、「今はそうではない」という含みがあることです。つまり、「昔そうだったけど、今は違う」と過去と現在を対比するニュアンスを持っています。
一方で「be used to」は、慣れを表す表現です。このときの「used」は動詞ではなく形容詞として使われています。意味は「〜に慣れている」。構文は「be動詞+used to+名詞または動名詞(〜ing)」となります。
<例文>
I am used to cold weather.(私は寒い天気に慣れている。)
She is used to getting up early.(彼女は早起きすることに慣れている。)
ここで注意したいのは、「to」の後に動詞の原形を置かないことです。「to」は不定詞ではなく前置詞として機能しているため、必ず名詞か動名詞を続けます。ここを間違えると、「used to」と混同して誤用になってしまいます。
「used to be used to」を分解して理解する
さて、ここからが本題です。本記事のキーワードである「used to be used to」。見た瞬間、「used to」が2回も出てくるので混乱しますよね。しかし文構造をきちんと分解すれば、その意味はとても明確になります。
「used to be used to」は、次のように構成されています。
used to + be + used to + 名詞(または動名詞)
前半の「used to」は「以前は〜していた」、後半の「be used to」は「〜に慣れている」。
つまり、全体では「以前は〜に慣れていた(が、今は慣れていない)」という意味になります。
<例文>
I used to be used to waking up early.
(以前は早起きに慣れていたが、今は慣れていない。)
She used to be used to living in Tokyo.
(彼女は以前、東京の生活に慣れていたが、今はもう違う。)
We used to be used to working weekends.
(以前は週末に働くのが普通だったが、今は違う。)
このように、前半の「used to」が“過去の状態”を表し、後半の「be used to」が“慣れ”を表すため、「過去に慣れていたけれど、今はそうではない」というニュアンスになります。
「used to be used to」を使うときの注意点
この表現を使うときは、次の2点を意識すると混乱しません。まず1つ目は、「used to」の後に必ず動詞の原形(ここでは be)を置くこと。2つ目は、「be used to」の後には名詞または動名詞を置くこと。このルールを守れば、文法的に正しい形になります。
<例文>
I used to be used to spicy food.(以前は辛い食べ物に慣れていた。)
逆に、次のように書くと誤りになります。
I used to used to spicy food.(「be」が抜けていて文が崩れている。)
この「be」が入るかどうかで、意味がまったく変わるので要注意です。
「used to be used to」を自然に使えるようになるコツ
英語のネイティブも、「used to be used to」を日常会話で使うことがあります。特に、「昔は慣れていたけど、今はちょっと無理かも」という感覚を伝えたいときにぴったりです。
<例文>
I used to be used to working night shifts, but now I get tired easily.
(以前は夜勤に慣れていたが、今はすぐに疲れてしまう。)
He used to be used to driving in heavy traffic when he lived in LA.
(彼はロサンゼルスに住んでいた頃、渋滞の運転に慣れていた。)
We used to be used to cold winters, but since moving south, we can’t handle it anymore.(以前は寒い冬に慣れていたが、南に引っ越してからはもう耐えられない。)
このように使うことで、過去の自分と今の自分の違いを自然に表現できます。
「used to be used to」を使いこなすための感覚理解
単語の意味を覚えるだけでなく、「used to be used to」が伝えるニュアンスを感覚で掴むことが大切です。
<例文>
I am used to waking up early.
(今も早起きに慣れている。)
I used to be used to waking up early.
(昔は慣れていたが、今はそうではない。)
つまり、「used to be used to」は「慣れていた過去」を懐かしむようなニュアンスを含むのです。日常会話でも、“昔は平気だったけど今は無理”という気持ちを表すときによく使えます。
よくある間違いと注意点
「used to」と「be used to」は形が似ているため、以下のような混同がよく起こります。
×I am used to study English.(誤り)
〇I am used to studying English.(正しい)
また、「used to be used to」を使う際に、「be」を抜かしてしまう人も多いですが、それは大きなミスです。「used to be used to」は4つの単語で一つの文構造を作っているため、どれも欠かせません。
もう一度確認しておくと、
- 最初の「used to」は過去の習慣
- 次の「be」は存在や状態を表す動詞
- 「used to」は形容詞で「慣れている」
- 「to」の後には名詞または動名詞
この順序を守れば、どんな文でも正しく使うことができます。
「used to」「be used to」「used to be used to」を整理しよう
ここまでの内容を整理すると、次のようにまとめられます。
「used to」は、昔の習慣や状態を指し、「今はそうではない」という含みがあります。「be used to」は、現在の慣れを表し、「〜に慣れている」という意味です。
そして「used to be used to」は、その2つを組み合わせて、「以前は〜に慣れていたが、今はそうではない」と、過去と現在の差をはっきりと表す表現になります。
<例文>
I used to live in Tokyo.(昔、東京に住んでいた。)
I am used to living in Tokyo.(今、東京の生活に慣れている。)
I used to be used to living in Tokyo.(昔は東京の生活に慣れていたが、今はそうではない。)
この3つの違いをしっかり意識して使い分けられるようになれば、あなたの英語表現力は大きくレベルアップします。
「used to be used to」を使えば英語のニュアンスが豊かになる
「used to」と「be used to」は、見た目は似ていても、意味も文法もまったく違うものです。「used to」は過去の習慣、「be used to」は慣れ。そして両方を組み合わせた「used to be used to」は、「昔は慣れていたけれど、今はそうではない」という、過去と現在を比較する表現です。
英語には時間の流れや感情の変化を細かく表せる表現がたくさんありますが、この「used to be used to」はその中でもとても便利なフレーズです。ぜひこの記事で紹介した例文を声に出して練習し、自然に口から出てくるようにしてみてください。
そうすれば、英会話でも「昔は〜に慣れていたけど、今はそうじゃないんだ」と、よりリアルで豊かな表現ができるようになります。


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